山田養蜂場運営の研究拠点「みつばち健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。

かぜ・インフルエンザの予防に お悩みに関連する研究成果を知る

●プロポリスによるかぜへの回復促進作用

成人男女59名を対象としたプラセボ二重盲検試験の結果、ブラジル産プロポリスエキスの継続的な摂取用は、体のだるさを軽減し、風邪の治りを早めることが示唆されました。

(Pharmacometrics, 79 (3/4), 43-48, 2010)

●はちみつの「抗ウイルス活性」に関する研究データ

はちみつの抗インフルエンザウイルス活性を調べるため、培養細胞に、レンゲ、アカシア、甘露、ソバ、およびマヌカを蜜源としたはちみつをさまざまな濃度で加えると同時に、インフルエンザウイルスを感染させました。そして、各はちみつのIC50(※)を算出しました。その結果、試験したはちみつの中で、マヌカはちみつの抗インフルエンザウイルス活性が最も高いことが分かりました。
※ IC50…50%感染阻害濃度。培養細胞へのウイルス感染を50%阻害する濃度。この値が低いほど阻害活性が高い。

詳しい研究内容はこちら

Arch Med Res. 2014 Jul;45(5):359-65.)

マヌカはちみつに高濃度に含まれ、抗菌活性を持つ物質として知られるメチルグリオキサールが、インフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活性を示すか調べるため、培養細胞にメチルグリオキサールを添加し、さらにインフルエンザウイルスを感染させました。その結果、メチルグリオキサールの量が増えるほど、ウイルス感染による細胞死が抑制され、生存する細胞の割合が増加しました。これにより、メチルグリオキサールが抗ウイルス活性を持つことが明らかとなりました。

※ 出典より引用改変

詳しい研究内容はこちら

Arch Med Res. 2015 Jan;46(1):8-16.)

●ローヤルゼリーが感染症を予防するメカニズムを解明

ローヤルゼリーには免疫力を高める効果が期待されています。そこで、ローヤルゼリーが免疫力を高めるメカニズムを、腸管免疫(※1)に着目して調べました。
※1 腸管免疫…腸に備わっている、病原体を排除するための仕組み。

まず、腸管上皮細胞にローヤルゼリーを添加し培養したところ、腸管上皮細胞がM細胞(※2)と同様の性質を持った細胞に変化し、機能も高まることが示唆されました。
※2 M細胞…病原体を取り込むための入口。取り込まれた病原体に対して、免疫細胞はIgA(免疫グロブリンA)などの抗体をつくり出す。

次に、酵素分解ローヤルゼリーを摂取すると抗原(※3)に特異的なIgA抗体の反応性が上昇するかを調べました。その結果、抗原と酵素分解ローヤルゼリーを同時に摂取したグループでは、抗原特異的IgA抗体の反応性が著しく向上しました。
※3 抗原…抗体を作らせる物質。病原体など。

以上の結果は、ローヤルゼリーの摂取によって腸管免疫が強化され、細菌やウイルスへの抵抗力が高まる可能性を示唆しています。

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Food Sci Nutr. 2013 Mar 6;1(3):222-7.)

●ローヤルゼリーの免疫力向上作用は10-ヒドロキシデカン酸に由来する

ローヤルゼリーに多く含まれる10-ヒドロキシデカン酸(デカン酸)を、ヒト上皮様培養細胞に添加したところ、M様細胞への分化が誘導されました。さらに、デカン酸を摂取すると、腸管パイエル板のM細胞の増加を介して、抗原に特異的なIgA抗体の産生が促進されることが明らかになりました。デカン酸が上皮細胞に作用してM細胞を増やし、免疫応答に働くIgA抗体の産生を促すことで、腸管免疫に寄与していると考えられます。

詳しい研究内容はこちら

Biol Pharm Bull. 2020;43(8):1202-9.)