山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。
ハチロー博士: | みっちは、大きくなったら何になりたい? |
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みっち: | えーっと・・・お母さん! みっち、ちびっこが大好きだから! |
ハチロー博士: | アハハハ、キミもまだ十分ちびっこだけどね(笑)。じゃあ、今日は蜂たちの子育てに欠かせない「ローヤルゼリー」の話をしよう。みっちはローヤルゼリーが何か、知ってるかな? |
みっち: | うーん、そういえば、ママが「ミツバチが大事にしているものよ」って言ってました。でも、よくわからない。もしかしたら、とっても高級なはちみつなの? |
ハチロー博士: | いやいや、はちみつとは別のものなんだ。では、はちみつと比べて説明しよう。 |
みっち: | うわあ、色も味もはちみつとはぜんぜんちがう! |
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ハチロー博士: | そうなんだ。ローヤルゼリーはよく“はちみつの加工品”“はちみつの中で最も高級なもの” とか“はちみつの成分”などと思いこまれている。でも、それは間違いで、本当はミツバチが自分のからだでつくり出したものなんだ。 |
みっち: | へぇー!すごーい!ローヤルゼリーを食べられるのは、ほんとに女王蜂だけなの? |
ハチロー博士: | そのとおり。コロニーと呼ばれるミツバチの社会には厳しいルールがあって、ローヤルゼリーは女王蜂だけが食べるんだよ。ただし、生後3日までの働きバチやオスバチの幼虫も、ローヤルゼリーとよく似た成分のワーカーゼリーと呼ばれるものを食べているんだ。 |
働きバチが分泌したローヤルゼリーは、ミツバチの巣にある「王台」という特別の部屋にたくわえられ、その部屋に産み付けられた受精卵だけが次の世代を担う女王蜂になります。女王蜂となるメスのミツバチは、孵化してから生涯にわたり、ローヤルゼリーを食べ続けます。ローヤルゼリーは、女王蜂だけが食べ続けることを許される特別な食べもの。「ローヤル」の名称もここから来ているといわれています。
成虫になった女王蜂は、同じメスどうしでありながら、体の大きさは働きバチの2~3倍、寿命は働きバチの30~40倍にもなります。
そして、平均3~4年の一生の間、毎日1500~2000個もの卵を産み続けるという、驚くべきバイタリティで活動します。しかし、女王蜂の遺伝子は、一般の働きバチの遺伝子とまったく同じ。つまり、女王蜂としての体型や能力が、生まれながらにして備わっていたわけではありません。遺伝的に同じでありながら、女王蜂として生きることを可能にするのは、ひとえに、幼虫期から食べ続けているローヤルゼリーのおかげなのです。