山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。
昔から世界中で、健康づくりや効率的なエネルギー補給のために力を発揮する「はちみつ」。みっちの好奇心に、ハチロー博士が詳しく解説します。
みっち: | そういえば、おばあちゃんが「傷口に、はちみつを塗るといいよ」って言ってた。寒い季節に、唇が荒れたときにも、はちみつを塗ってくれた。それは、どういうことなの? |
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ハチロー博士: | 昔から、はちみつは傷によいと伝承的に言われているね。古代ギリシャ時代の哲学者アリストテレスも、「傷口の軟膏には、淡い色の蜂蜜がよい」と言っている。 |
みっち: | なぜ、傷口にいいの? |
ハチロー博士: | 1つは、はちみつのもつ保湿力だ。とろみの強いはちみつが皮膜となって、雑菌の感染や傷口の乾燥を防ぐと言われている。もう1つは、はちみつは糖度が高く、水分が少ないので、細菌が入り込んでも活動できない。つまり、抗菌力で傷を守ってくれるというわけだ。 |
抗菌力の高いはちみつの代表格は、ニュージーランドにしか自生していない「マヌカ」の蜜でできた「マヌカハニー」 。またそれ以外のハチミツでも、手術後の傷に塗ったところ、3~6日間、無菌に近い状態が保たれて肌の傷が早く治ったという報告があります。はちみつの抗菌力は、水分が少ないことと、糖の濃度が高いことによるもの。ハチミツのなかでは細菌は生きていけないため、腐敗することはありません。
ただ、天然のはちみつにはボツリヌス菌が混入していることがあるため、1987年に厚生省(当時)から、はちみつを胃腸が未発達な一歳未満の乳児に与えてはならないという通達が出ています。
(参考文献:D.Cavanagh, The Journal of obstetrics and gynaecology of the British Commonwealth, 77 (11)1037-1040 (1970))
みっち: | そっかー。はちみつが細菌に強いことも、ミツバチの巣を衛生的に保つことにひと役買っているのね。 |
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ハチロー博士: | お、なかなか冴えてるね! |
みっち: | だって、はちみつ食べて脳にエネルギーを補給したもん! |