山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。
みっち: | ねえねえ、博士、この前、みっちのパパが海外出張でタイに行ったんだけど、お料理に「蜂の子」が出されたんだって!パパは、「びっくりしたけどおいしかった」って言ってたよ。 |
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ハチロー博士: | そうか。タイでは蜂の子は一般的な食材で、一流ホテルのメニューにもなっているんだ。タイ以外でも、多くの国で昔から食べられているし、現代の日本でも、蜂の子料理が郷土料理として残っている地域がある。 |
みっち: | へぇー、そうなのね!「蜂の子」って、ホントに「蜂」の子どもなの? |
ハチロー博士: | うん。蜂の幼虫やサナギのことだ。あらゆる種類の蜂の幼虫、サナギがすべて「蜂の子」なんだ。 |
みっち: | ミツバチだけじゃないの? |
ハチロー博士: | もちろん、ミツバチの子も「蜂の子」として食用されている。でもね、ミツバチの場合は、オスが食べられることが多いんだ。 |
みっち: | え?なぜ、オスだけが食べられちゃうの? |
ハチロー博士: | 女王蜂や働きバチといったメス蜂は、ローヤルゼリーやはちみつなど、ヒトの役に立つものを作りだしてくれるし、何よりミツバチ社会の中心となって働くからね。 |
みっち: | そうか、ミツバチの世界では女性が強いんだ! |
ハチロー博士: | うーむ、まあ、我が家もそれに近いんだが…。 |
“蜂の子”とは、その名の通り、蜂の子ども、つまり蜂の幼虫やサナギのことです。ミツバチだけではなく、スズメバチ、クロスズメバチ、アシナガバチ、クマバチなどの蜂の幼虫やサナギも、すべて“蜂の子”と呼ばれています。特にミツバチでは、女王蜂や働き蜂といったメス蜂は、ローヤルゼリーやはちみつなど、人の役に立つミツバチ産品の生産者として重要な役割を担うため、食用の“蜂の子”となるのは、主にオスのミツバチの幼虫です。
蜂の子は、古来よりルーマニア、タイ、メキシコ、エクアドルなど多くの国で貴重なタンパク質等の栄養源として食されてきました。太平洋戦争中の日本では、蜂の子が貴重なタンパク源として、全国的な食糧不足を補っていましたし、現代の日本でも、長野県、岐阜県、愛知県を中心に伝統的な郷土料理として愛され続けています。 「虫を食べるなんて」と思われるかもしれませんが、蜂の子は、世界でも日本でも、昔ながらの食材なのです。