山田養蜂場運営の研究拠点「みつばち健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。

レスベラトロール 明らかになる健康機能~最新研究ダイジェスト

近年、花粉荷の機能を明らかにする研究が進められており、ヒトの健康にどのように役立つかが解明されつつあります。ここでは、信頼性のある科学的な手法で行われた、最近の研究成果をダイジェスト版でお伝えします。

※花粉荷とは、ミツバチが花を訪れた際に、体についた花粉を集めて巣に持ち帰ったもの。
ミツバチたちは「花粉」と「はちみつ」を練り混ぜた“花粉荷”を主食にしており、“花粉荷”を材料にして体内でローヤルゼリーを合成します。つまり、“花粉荷”は栄養価の極めて高い食品であると同時に“ローヤルゼリーのもと”ということなのです。

花粉荷の「老化予防」に関する研究データ

花粉荷が前立腺肥大症状に有用

前立腺肥大症の患者を対象としたヒト試験の結果、花粉荷を高用量で飲用したグループでは、飲用前と比較して、最大尿流率(尿の勢い)の有意な上昇が認められました。残尿量については減少傾向が認められました。

最大尿流率(尿の勢い)

残尿量

Food Sci Technol Res. 2008;14 (3): 306-310.)

花粉荷の「ムズムズ・かゆみ・花粉」に関する研究データ

花粉荷含有プロポリス食品で花粉症治療薬の使用が減少

花粉荷含有プロポリス食品を用いて、軽度のスギ花粉症の患者24名を対象にしたプラセボ対照二重盲検試験を行いました。
被験者を2グループに分け、一方には「花粉荷含有プロポリス食品」(花粉荷エキス20 mg・ブラジル産プロポリスエキス20 mgを含有)6粒、一方にはこれらを含まないプラセボ(偽薬)を、スギ花粉飛散開始4週間前より12週間摂取してもらい、治療薬の使用について日誌によるアンケートに回答してもらいました。アンケート調査の結果から治療薬の強さと使用頻度を示す「花粉症治療薬使用スコア」を算出し、花粉荷含有プロポリス食品のスギ花粉症に対する作用を評価しました。

花粉症治療薬使用スコア

薬の強度





スコア0 薬剤の使用なし
スコア1

第二世代抗ヒスタミン薬またはヒスタミン放出抑制剤の飲用

血管収縮薬または抗コリン作用薬の鼻への噴霧
スコア2 コルチコステロイドの局所投与
スコア3 コルチコステロイド+第二世代抗ヒスタミン薬の飲用

その結果、試験中に治療薬を使用しなかった方は、花粉荷含有プロポリス食品を摂取したグループでは13名中9名、プラセボを摂取したグループでは11名中2名となりました。
また、花粉荷含有プロポリス食品を摂取したグループでは、花粉飛散開始後の花粉症治療薬の使用スコアが小さくなりました。このように、スギ花粉飛散前からの花粉荷含有プロポリス食品の予防的な摂取により、花粉症治療薬の使用を減らすことができました。
これらの結果は花粉症治療薬の問題点である眠気や口・眼の乾燥感などの副作用の軽減に繋がることから、花粉荷含有プロポリス食品の摂取は花粉症に悩む人々のQOL向上に役立つことが期待されます。加えて、花粉症治療薬の使用の減少は医療費の削減に繋がると考えられ、社会全体として非常に有意義なこととも言えます。

(薬理と治療. 38 (11), 1041-1050, 2010)

花粉荷の「お肌の乾燥・シミ予防」に関する研究データ

花粉荷のシミ予防効果

女性が気になるお肌のくすみやシミ。どちらも美肌の大敵です。
このシミやくすみを作るのが、黒色の色素「メラニン」。過剰にメラニンが産生され色素沈着を起こすと、シミやくすみとなります。
美白の大敵といえば、言わずと知れた「紫外線」ですね。海や山で日焼けした後に肌が黒くなり、シミやくすみが出てきてしまった経験は、どなたにでもあるのではないでしょうか。

メラニンは本来、皮膚で過剰な光を吸収し、紫外線をさえぎる働きをします。直射日光にさらされると、皮膚細胞では紫外線により活性酸素が発生し、細胞を傷つけるので、それを防ごうとより多くのメラニンが産生されます。それが、日焼けや、シミ・くすみの原因となるのです。したがって、抗酸化作用を示す素材は、美白作用も発揮することが知られています。

花粉荷の抗酸化作用とメラニン抑制作用

さまざまな植物からミツバチが集めた花粉荷のエキスについて、抗酸化作用とメラニン産生抑制作用を評価しました。その結果、強い抗酸化作用を持つオーストラリア産のマリ花粉荷エキスにメラニン産生抑制作用があることが示されました。

(ファインケミカル, 43(11), 19-26, 2014)

花粉荷から発見された、新しい抗酸化成分

「完全栄養食品」ともいわれ、古くから北欧や中国で食されていた花粉荷ですが、最近わかってきた健康や美容への機能は、バランスよく含まれるビタミンやミネラルなどの栄養素のみならず、さまざまな「抗酸化成分」が含まれていることによると考えられています。日常的に私たちの体内で起こっている「酸化」とは、取り込んだ酸素の一部が活性酸素となって、細胞などを傷つけ、老化をひき起こす「体のサビ」。人間は、これらの酸化を消去するための抗酸化機能をもっていますが、その機能は加齢とともに衰えるので、抗酸化成分をとることが、若々しさのカギになると言われています。

ブラジル産花粉荷から新しい抗酸化成分を発見

花粉荷の抽出物から、抗酸化活性が認められる成分を単離し、質量分析計などで解析したところ、下記4種類の抗酸化成分が同定され、そのうち1つはこの研究により世界で初めて発見された新規の物質であることがわかりました。

  • 成分1.ケンフェロール 3-O-[2-O-p-クマロイル]-α-L-アラビノピラノシド (初めて発見された成分)
  • 成分2.N1,N5,N10-トリ-p-クマロイル スペルミジン
  • 成分3.N1,N5,N10,N14-テトラ-p-クマロイル スペルミン
  • 成分4.モノカフェオイル-トリ-p-クマロイル スペルミン
新規抗酸化成分の構造

(Nat Prod Res. 2007 Jul 10;21(8):726-32. )

みっち&ハチロー博士と わかりやすく学ぶ 花粉荷