みつばち健康科学研究所

ローヤルゼリーが全身の幹細胞を活性化させ、若返りに働きかける可能性

山田養蜂場は、自社研究所でローヤルゼリーの持つ若返り効果のメカニズムについて
最先端の再生医療分野から研究を進め、ローヤルゼリーが幹細胞に働きかけることを明らかにしました。
そのうち、第45回 日本分子生物学会年会(2022年11月30日-12月2日)にて発表した内容についてご紹介いたします。

ローヤルゼリーは、表皮幹細胞を活性化させることで肌の若返りに働きかける

山田養蜂場美容科学研究所は、近畿大学薬学総合研究所 森山 博由准教授の研究グループとの共同研究にて、ローヤルゼリーが表皮の老化を抑制するとともに、表皮幹細胞性の活性化に寄与することを明らかにしました。本研究成果は、第45回 日本分子生物学会年会(2022年11月30日~12月2日)にて発表いたしました。

表皮幹細胞とは? ローヤルゼリーの表皮幹細胞に対する働き

【研究背景】
肌は、表皮、真皮、皮下組織に大別され、最も外層に存在する表皮は体外の外部環境から体を保護するほかに、見た目の美しさにも大きく関わっています。表皮は、紫外線などの外部環境による影響や、加齢によって衰えることが知られています。特に加齢による衰えは、ターンオーバーの乱れなどによる肌痩せ(菲薄化)や老廃物の蓄積につながり、見た目に大きく影響を与えます。
女王蜂の生命力の源であるローヤルゼリーはミツバチが分泌する天然物で、特長成分の「10-ヒドロキシ-2-デセン酸」や「10-ヒドロキシデカン酸」など40種類以上の栄養素が含まれています。ローヤルゼリーを日常的に扱う養蜂家の手は美しいといわれてきましたが、近年の研究により、ローヤルゼリーの塗布や飲用によって、角層⽔分量が向上することや表皮が保護されることなどが明らかになってきました。しかしながら、このローヤルゼリーの有する皮膚への効能とメカニズムについての探索はまだ十分になされていません。
そこで、ヒト表皮培養ケラチノサイト(HPEK)を用い、三次元培養表皮モデルを用いた皮膚構造の観察と二次元培養による細胞活性の評価から、ローヤルゼリーが持つ表皮への影響を確認いたしました。

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【研究結果】
 ローヤルゼリーは表皮幹細胞を活性化することで、肌の層構造を発達させることが示されました。また、ローヤルゼリーは長期培養による細胞老化を抑制することが示されました。

<三次元培養表皮モデルを用いた実験>
●ヒト表皮培養ケラチノサイト(HPEK)にローヤルゼリーを添加した条件で三次元培養表皮モデルを作製したところ、ローヤルゼリーを添加していない条件と比べ表皮がより厚く形成された。また、表皮の幹細胞領域にみられるマーカーであるp63および、細胞増殖マーカーのKi67の発現量が増加した。
<二次元培養による実験>
●HPEKの二次元培養時にローヤルゼリーを添加することで、細胞増殖のわずかな亢進がみられた。さらに、長期培養による影響を観察した結果、ローヤルゼリーを添加によって細胞老化が抑制され、細胞倍加レベルが亢進した。
●老化抑制のメカニズムを遺伝子発現から調べた結果、幹細胞マーカーΔNp63の発現量はローヤルゼリー添加群で有意に増加し、細胞老化に関わるCDKN1A※の発現量はローヤルゼリー添加群で減少することが分かった。
●ローヤルゼリーに含まれる主要な脂肪酸である10-ヒドロキシ-2-デセン酸でもΔNp63の発現増加やp21の発現抑制が確認された。
※p21をコードする遺伝子。細胞老化のマーカーとしてよく用いられ、DNAのダメージに応じて作られる。

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【今後について】
今後は、ローヤルゼリーの持つ幹細胞を活性化する作用について、関与成分のさらなる探求とヒトに対する効果を検証し、ローヤルゼリーの化粧品素材としての可能性を追求するとともに、全身の幹細胞に対する網羅的な機能性を調べてまいります。
※表皮幹細胞とは
表皮の最も奥の基底層に存在し、皮膚を構成する角化細胞に分化する幹細胞。角化細胞は表皮の層構造を形成し、保湿機能やバリア機能によって体を外部環境から守るほか、肌の見た目においても重要な役割を果たすため、表皮幹細胞の働きは肌に大きく影響を与えます。

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ローヤルゼリーは、間葉系幹細胞に働きかけ、肌の再生に関わる細胞外膜小胞(エクソソーム)の機能を向上させる

山田養蜂場美容科学研究所は、三重大学大学院 生物資源学研究科 伊藤 智広准教授の研究グループとの共同研究にて、脂肪由来間葉系幹細胞にローヤルゼリーを添加することで、エクソソームの分泌量を増加させ、さらにローヤルゼリーによって分泌促進されたエクソソームが皮膚細胞においてコラーゲン産生を亢進することを明らかにしました。本研究成果は、第45回 日本分子生物学会年会(2022年11月30日~12月2日)にて発表いたしました。

脂肪由来間葉系幹細胞とは?
ローヤルゼリーの脂肪由来間葉系幹細胞に対する働き

【研究背景】
近年、皮下の脂肪組織に存在する幹細胞(adipose-derived stem cells , ADSCs)から分泌される細胞間のコミュニケーション物質であるエクソソームが、肌のハリに関わる線維芽細胞において、コラーゲン合成や遊走活性を亢進することが明らかとなっています。エクソソームの持つこの機能は、創傷治癒等の新たなターゲットとして注目されるとともに、肌のたるみやシワにも関わることから、最新の再生医療分野において健康と美容の両側面から日々研究が進められています。
また、女王蜂の生命力の源であるローヤルゼリーはミツバチが分泌する天然物で、豊富な栄養素を含み、様々な生理活性を持つことが知られています。ローヤルゼリーは、線維芽細胞の増殖やエラスチン合成の促進作用があることが明らかにされており、化粧品の原料としても活用されています。
そこで、ローヤルゼリーを含む培地で脂肪由来間葉系幹細胞を培養することで、産生されるエクソソームの機能や量にどのような影響を与えるか確認いたしました。

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エクソソームとは? エクソソームは様々なメッセージを届ける

【研究結果】
ローヤルゼリーを含む培地でADSCsを培養することで、エクソソームの分泌が促進されることを確認しました。また、今回得られたエクソソームは、ローヤルゼリー未添加の条件で分泌されたエクソソームと比較して、線維芽細胞の増殖、遊走、コラーゲン合成といった肌の再生に関わる活性を亢進することが確認されました。このことからローヤルゼリーを含む培地でADSCsを培養して得られたエクソソームを含む培養液は、既存の幹細胞培養上清を含む化粧品原料の機能を強化した化粧品素材となる可能性が示唆されました。

<ADSCsのエクソソーム分泌能について>
●ローヤルゼリーを含む培地でADSCsを培養することで、エクソソームの分泌が促進されることが確認された。
<ローヤルゼリー処理したADSCsで得られたエクソソームの働きについて>
●ローヤルゼリー処理したADSCsより分泌されたエクソソームは、ローヤルゼリーを含まない条件で分泌されたエクソソームと比較して、線維芽細胞の増殖、遊走、コラーゲン合成の活性を亢進することが確認された。
●バイオインフォマティクス解析を行った結果、ローヤルゼリー処理したADSCより分泌されたエクソソームは、各種コラーゲンなど細胞外マトリックスの組成に関連する遺伝子の発現を増強することが示唆された。

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【今後について】
今後は、新たに見出された知見から、ローヤルゼリーが幹細胞に働きかける可能性を追求するとともに、ローヤルゼリーによる新規化粧品原料の開発を目指して研究を進めてまいります。
※脂肪由来間葉系幹細胞とは
間葉系に属する組織の細胞(骨や軟骨、脂肪など)に分化することができる幹細胞。多様なエクソソームを分泌し、体内環境を調節する働きもあります。
※エクソソームとは
細胞外膜小胞の一種で、直径30~200 nm程度の極めて小さい物質。エクソソームはさまざまな細胞から分泌される細胞間のコミュニケーションを担う物質で、組織の再生や恒常性の維持に貢献することが分かっています。特に間葉系幹細胞に由来するエクソソームは再生医療分野で大きく注目され、新しい化粧品素材への応用に期待できる物質としても注目されています。

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