山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。
風邪をひくときは、免疫力が低下しています!
日ごろからの免疫力を高める生活で、病気を寄せつけない身体になりましょう。
鼻水が出たり、のどが痛くなったり、咳(せき)が出たり、発熱したり――さまざまな症状に悩まされる風邪ですが、その実態は何でしょうか?
風邪の病原体は一つではありません。それどころか、風邪の大半はウイルス性とされながら、細菌性のものもあります。また、原因となるウイルスも細菌も、種類がたくさんあります。そのため、風邪を薬で治そうとしてもなかなか簡単にはいきません。
一方、インフルエンザの病原体はウイルスで、抗インフルエンザウイルス薬によって予防や治療ができます。ただし、インフルエンザウイルスの種類もさまざまなので、予防効果は100%というわけにはいきません。
風邪やインフルエンザへの最良の対策は、免疫力を高めて感染しにくい身体になることといえます。
インフルエンザの大きな特徴の一つは「高熱が出る」こと。38℃以上の発熱はインフルエンザの可能性があります。また、風邪よりも重症化しやすいので、早めの治療が肝心です。
インフルエンザは抗ウイルス薬で治療できますが、体内に入ったウイルスが増殖したあとでは、その効果は弱くなってしまいます。
ウイルスが最大量に増えるのは感染から約48時間後。その前に治療を受けることが早い回復につながります。
鼻や口から入った病原体は、気道(空気の通り道)を通り、のど→気管→気管支→肺へと侵入していきますが、免疫力を高めておけば、途中でくいとめることができます。
高齢になると、若いころと比べて体力が低下するため、発熱しにくくなり、風邪をひいてもあまり高熱を出さないようになります。また、咳を出すための筋力も衰えるので、激しい咳は出にくくなります。すると、症状は軽く見えるのに、実際は重い風邪だった……というケースが出てきます。
自覚症状は軽くても安静にして、なかなか治らないときは病院を受診することも大切です。
"うっかり風邪をひいてしまった"ときのことを振りかえってみると、疲れていたり、睡眠不足だったり、身体を冷やしてしまったという場合が多いのではないでしょうか?
こうした状況では、免疫力が低下しています!
複数の要因が重なれば、さらに免疫力は下がるので、「疲れているときに寒い場所で長時間過ごす」「睡眠不足のまま無理をする」といったことがないように、身体をいたわることが大切です。
「朝、起きたときに体調が悪くなっていた」ということがありませんか?免疫力に深く関係している細胞の一つにNK細胞があります。その役割は、ウイルスに感染した細胞などを攻撃して身体を守ること。しかし、夜になるとあまり活発に働かなくなる性質があります。そのため、寝ている間にウイルスの侵入をゆるしてしまうことがあるのです。
就寝中に身体を冷やさないことが大切。とくに首のまわりを暖かくすることがポイントです。
どんなに健康な人でも、免疫力は加齢とともに少しずつ低下します。「風邪なんかひいたことがない」という人も風邪をひきやすくなりますので、油断しないことが肝心!
また、高熱などはっきりした症状が現れにくくなるため、身体がだるかったり、食欲がないといった体調の変化にも注意しましょう。
風邪もインフルエンザも、空気中に飛び散ったり、手などに付着したウイルスや細菌から感染します。うがい・手洗いを徹底しましょう。
ぬるま湯にはちみつを少し入れてうがいをすると、のどがうるおって効果的です。
マスクは、風邪予防のためにも、風邪を人にうつさないためにも必需品。ガーゼよりも目の細かい不織布のマスクを使用しましょう。顔に密着させることも重要です。
乾燥した空気の中では、風邪やインフルエンザのウイルスが感染力を長時間保持するといわれています。また、のどが渇くと粘膜のバリア機能が低下して、感染しやすくなります。
加湿器を利用したり、ぬれたタオルを干すなどして、部屋の湿度を50%前後に保つようにしましょう。
風邪を防ぐ最大のポイントは免疫力を高めることなので、日ごろから栄養バランスのよい食事をすることが風邪予防になります。また、風邪が流行する時期には、免疫力アップに役立つビタミンCなどをたっぷり摂るのもおすすめです。
風邪をひいてしまったときは、胃腸の機能も弱るので、消化がよく水分の多いものを摂り、ビタミンやミネラルも上手に補いましょう。