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「健やかに」発刊録

栄養素のはなしvol17 乳酸菌いっぱいのヨーグルトとケフィアには長寿と健康のヒミツが!?

イリヤ・メチニコフ(1845-1916)
ロシアの微生物学者。免疫に関する研究でノーベル賞を受賞。腸内環境と食べ物の関係にいち早く着目し、ヨーグルトの老化防止作用を研究した。

牛乳を乳酸菌で発酵させて作られるヨーグルト。“長寿食”として注目されるようになったのは、1908年にノーベル生理学・医学賞を受賞したメチニコフ博士が、「ブルガリアの人が長寿なのはヨーグルトを食べているからではないか」という学説を発表したことがきっかけでした。また、コーカサス地方を起源とする「ケフィア」は、以前、「ヨーグルトきのこ」としてブームになりました。ケフィアは、ヨーグルトと同じく牛乳から作られる発酵乳ですが、乳酸菌と酵母からできる「ケフィアグレイン」を入れて発酵させることなどが特長です。

乳酸菌について

現在、乳酸菌についての研究が進み、乳酸菌の摂取によってピロリ菌が減少、花粉症などのアレルギー症状が低減されるといった報告もあります。乳酸菌は胃酸や胆汁酸によって胃腸と十二指腸で死滅してしまい、生存率が低下します。生きて腸まで届くタイプの乳酸菌は、腸内で乳酸や酢酸を作るため、有害菌を減らして腸の調子を整えるのに役立ちます。また、がんや感染症に対する抵抗力を高めるという報告もあります。一方、減少して腸に届く乳酸菌も、抗腫瘍、血圧降下作用、血清コレステロール低下作用などがあるという研究結果が報告されています。

冷やして食べることが多いヨーグルトですが、これからの季節は少し温めてもいいでしょう。乳酸菌は40℃を超えると死滅しますが、人肌に近い温度のほうが乳酸菌が活性化しやすくなるという研究報告もあります。

乳酸菌の働きをより活かすためには、オリゴ糖を含むはちみつや、野菜やくだものなど食物繊維の多い食材を一緒に摂ると効果的。ヨーグルトを食べるときは、ぜひプラスしてください。さらに、乳酸菌は継続して食べることも大切です。

ヨーグルトとケフィアの違い

監修
浅尾貴子(あさおたかこ)先生
女子栄養大学助教。管理栄養士。フードコンサルタント。美容・健康・ダイエットの専門家としてさまざまなメディアで活躍している。

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