山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。

「健やかに」発刊録

生活習慣と検診で目の健康を守ろう 10 月10 日は「目の愛護デー」 10 を2つ並べて横にすると「目」に見えることから、この日に定められました。80 年以上の歴史があり、厚生労働省の主催で、目の健康にかかわる活動が行われます。

日本人の二大失明原因は、「緑内障」と「糖尿病網膜症」です。どちらも初期には自覚症状がないため、“目の検診”がカギに!高血糖や高血圧にならないための“生活習慣”も大切です。

「緑内障」ってどんな病気?

加齢とともに増加!眼圧が正常値でもリスクが

緑内障は加齢とともに増加する病気です。日本緑内障学会の調べによると、40歳以上の20人弱に一人という高い確率で発病しているため、40歳からは定期的な目の検診が欠かせません。

緑内障になると、視野が部分的に欠けていき、進行すると失明の危険があります。対策は、できるだけ早く発見して治療を受けることですが、視野が欠け始めても両方の目で補い合ってしまうため、なかなか初期には自分で気づけません。そこで、“検査で発見”することがカギになるのです。

緑内障は、眼圧が高くなり、視神経が傷つけられることが主な原因で起こります。ただし、どのくらい眼圧が高いと危険なのかは、個人差が大きく、はっきりとはわかっていません。実は、緑内障のタイプで最も多いのは「正常眼圧緑内障」で、眼圧が正常値のまま進行します。

目の検診では、眼圧だけでなく、眼底検査を一緒に受けましょう。また、眼圧には加齢のほか、さまざまな要因が影響していると考えられています。少しでもリスクを減らすため、喫煙をやめ、カフェインなどを摂りすぎないことも大切です。

「糖尿病網膜症」ってどんな病気?

高血糖や高血圧が血管を傷つけ網膜出血を引き起こす

糖尿病網膜症は、糖尿病神経障害、糖尿病腎症と並ぶ糖尿病の3大合併症の一つ。血糖値が高い状態が続くと、身体のいろいろなところで毛細血管が詰まりますが、それが目の網膜でも起こるのです。

網膜は、眼底にある薄い神経の膜で、細い血管が張り巡らされています。その血管が詰まると新生血管(新しい血管)ができますが、新生血管はもろく出血しやすいので、新生血管ができること自体が危険な状態です。網膜出血や網膜剥離の引き金になり、失明に至る可能性があります。網膜症の初期には自覚症状がないので、糖尿病の人は定期的に眼底検査を受けることが重要です。そして、予防のためには血糖値をコントロールすることが第一。血糖値を急上昇させる食事が最も血管に負担をかけます。適切な食事と運動で血管の健康を守りましょう。

高血圧網膜症にも注意!

高血圧の状態も毛細血管を傷つるため、網膜症の原因になります。高血圧の人も定期的に眼底検査を受けるとともに、食事では塩分(ナトリウム)の摂りすぎに注意を。

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