山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。

「健やかに」発刊録

健やかに 2015年6月号 内側と外側両方からのお手入れで健康的に美しく

きちんとお手入れをしているつもりなのに、何だか肌の調子が悪い――ということがときどきありませんか?
そんなときは、毎日の食事はバランスよく食べられているか、ぐっすり眠れているか、運動不足になっていないか、一つずつ振り返ってみましょう。
キレイでいるためには身体の内側からも健康であることが大切です!

"健康" と "キレイ" の第一歩は食事から始まっている

キレイのもとは 食事・運動・睡眠!

肌は、目に見える健康のバロメーター

体の中にある胃や腸、肝臓、腎臓、心臓などは、目で見ることはできません。健康だと思っていても、どこかにトラブルが起きている可能性があります。
その点、「肌」はいつでも見ることができます。"美しい肌"とは"健康な皮膚"のこと。肌も内臓などと同じ体の器官ですから、肌の調子から健康状態を知ることもできます。
健康な皮膚の基本は、健康な体と同様、「食事」「運動」「睡眠」。肌の調子が悪いときは、このうちどれか一つでも乱れていないか、生活を見直しましょう。肌を美しく健康に保つためには、外側からだけでなく内側からのお手入れも大切なのです。

肌の構造

ターンオーバーの仕組み

5大栄養素をバランスよく摂ることがキホン

体もエネルギーも食べものでつくられる

体もエネルギーも食べものでつくられる肌の表皮が約28日周期の「ターンオーバー」によって新しくなるように、筋肉や骨、血液などもそれぞれの周期で新しく生まれ変わっています。そして私たちは、そのために必要な材料やエネルギーを食品から得ています。
私たちがさまざまな食品を食べるのは、一つだけですべての栄養素を完璧に含んでいる食品はないからです。また、それぞれの栄養素は互いにかかわり合っているので、どれか一つが欠けても代謝機能がきちんと働かなくなり、体の健康を維持することができなくなります。
そこで、どの食品にどんな栄養素が含まれているのかを知り、バランスよく食べることが、"美と健康"を維持するための鍵となるのです。

土台が整えば補うべき栄養素がわかる

5大栄養素

栄養を考えた献立といっても、難しく考える必要はありません。まず重要なのは、5大栄養素であるタンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルを過不足なく摂ること。5大栄養素の土台が整ったら、もう少し詳しく、一つ一つの栄養素に目を向けていきます。土台ができていれば、「今、とくに何を補給したらよいのか」もわかりやすくなります。
たとえば、健康で美しい肌のためにとくに意識したいのは、上に挙げた栄養素です。5大栄養素とこれらの栄養素をバランスよく摂って、健康美人になりましょう!


【ビタミンC】

肌と健康によい作用

メラニン色素を還元する
コラーゲンの生成を助ける
活性酸素を除去(抗酸化作用)

ビタミンCが多く含まれる食品 ピーマン、パプリカ、パセリ、レモン、キウイフルーツ、いちごなど


【ビタミンA(β -カロテンとレチノール)】

*植物性食品にはβ - カロテンなどのカロテンの形で含まれており、体内でビタミンAに変わる。動物性食品にはレチノールという種類のビタミンAが含まれている。

肌と健康によい作用

細胞の再生を促す
免疫力を高める
活性酸素を除去(抗酸化作用)

β - カロテンが多く含まれる食品 にんじん、ほうれん草、春菊など

レチノールが多く含まれる食品 レバー、うなぎ、銀ムツなど


【ビタミンE】

肌と健康によい作用

血液循環を促進
脂質の酸化を防ぎ(抗酸化作用)、皮膚の老化や動脈硬化を抑える

ビタミンEが多く含まれる食品 アーモンド、かぼちゃ、アボカド、菜の花、ほうれん草、卵など


【フィトケミカル】

*野菜やくだものの色素や香りなどに含まれている成分。

肌と健康によい作用

抗酸化作用が高く、老化を抑えたり、免疫力を高めたりする

フィトケミカルが多く含まれる食品

()内はフィトケミカルの種類
ブルーベリー・ぶどう・さつまいもやなすの皮(アントシアニン)、トマト(リコピン)、大豆(イソフラボン)など


【タンパク質】

*タンパク質は20種類ほどのアミノ酸で構成され、そのうち食品から摂る必要がある必須アミノ酸は9種類。食品により含まれているアミノ酸の種類・量が異なるので、タンパク質はいろいろな食品から摂ることが重要。

肌と健康によい作用

皮膚はもちろん、体のあらゆる部分をつくるために必要な原料

タンパク質が多く含まれる食品 肉、魚、卵、大豆、大豆製品、牛乳、乳製品など
肌ととくに関係が深いのは、繊維状のタンパク質であるコラーゲン。鶏皮や牛すじなどコラーゲンを多く含んでいる食品も意識して摂りたい。

次のページへ

1/10