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「健やかに」発刊録

健やかに 2014年7月号 「蜂の子」の実力を紹介!耳鳴り・めまいの原因にもなる加齢性難聴は早めの予防・改善を!

「蜂の子」の実力を紹介!耳鳴り・めまいの原因にもなる加齢性難聴は早めの予防・改善を!

気になる「耳鳴り」や、不安な「めまい」を、がまんしていませんか? 
耳鳴りやめまいは、加齢性難聴やそのほかの耳の病気が原因で起こっていることがあります。
身体と同じように、耳も病気予防や老化防止が大切です。
何歳になっても健康な耳で、いきいきと生活しましょう!

耳鳴りと難聴の関係 耳が遠くなると、耳鳴りが起こりやすい!

耳の構造と音が聞こえる仕組み

耳鳴りに悩む人の9割は難聴の症状も!

中高年になると、耳鳴りや聞こえにくさ(難聴)に悩む人が多くなります。
耳鳴りは、イライラや不安感を招き、ストレスの元となりますし、人の話が聞き取りにくくなったり、聞き間違えが増えて会話がスムーズにいかなくなることも、大きなストレスになります。生活の質を低下させるものですから、多くの人が、何とかこれを解消したり改善する方法はないかと思っているでしょう。
耳鳴りと難聴には、実は関係があります。耳鳴りに悩まされている人の9割近くに、難聴の症状がみられるのです。
耳鳴りの症状がある人は、よく、脳の病気ではないかと心配しますが、耳鳴りは脳梗塞などの前ぶれではありません。ただし、激しい頭痛や手足のしびれといった症状が同時に現れた場合は脳の病気が疑われます。また、「めまい」も脳梗塞などの前ぶれとして起こることがあるので注意が必要です。
割合でみると、耳鳴りは、難聴や耳そのものの障害が原因となっていることが多く、ストレスなど精神的な理由で起こることもあります。
それではなぜ、難聴は耳鳴りの原因になるのでしょうか?


耳鳴りの起こるしくみ そもそも耳鳴りはなぜ起こるのでしょう

頭の中では、耳鳴りが常に起こっている

脳のガンバリが、耳鳴りを起こす

耳鳴りにはいくつかのタイプがあります。なかには原因がよくわかっていないものもありますが、上の図に示したように、「脳のガンバリ」によって起こるものがあると考えられています。
耳鳴りの音は、多くの場合、外から入ってくる音ではなく、脳がつくり出しているものです。種類によっては、「実際に聞こえる音」である場合もありますが、加齢によって起こる耳鳴りなどは、頭の中だけで鳴っているものです(下の表参照)。

耳鳴りのタイプ

実は「頭の中で音が鳴っている」状況は、特別なことではありません。実験で、音を完全にさえぎった「無響音室」をつくり、ふだんは耳鳴りの症状がない人に入ってもらうと、70%の人が耳鳴りを感じるといいます。このことから、頭の中で音が鳴っていても、音が小さければ耳鳴りとして感じられず、加齢などにより耳が聞こえにくくなると、頭の中の音が大きくなり、耳鳴りとして感じるようになるのだと考えられます。


加齢と難聴の関係 その「聴こえにくさ」は、加齢のせい?

加齢による難聴は高音が聴こえにくい

耳鳴りも難聴も、加齢が原因となっている場合が多く、加齢性難聴は40代後半から始まります。ただし、個人差がありますので、耳が聞こえにくくなったとき、加齢によるものなのか、ほかに原因があるのか、すぐにはわからないかもしれません。
加齢性難聴の特徴のひとつは、高い周波数の音が聞こえなくなることです。もう一度、耳の構造を見てみましょう。

耳の構造と音が聞こえる仕組み

耳の奥のほうに、カタツムリの形をした「蝸牛」という器官があります。蝸牛の中は、細い毛が生えたような状態になっています。
細い毛のようなものは「有毛細胞」と呼びますが、髪の毛が加齢とともに細くなったり少なくなるように、有毛細胞も変化していきます。その変化は、高い音に反応する部分から低い音に反応する部分へと進んでいきます。そのため、年をとると高い音から聞こえにくくなるのです。

加齢に伴う難聴の特徴

【イラスト】年齢とともに身体に起こる変化は、誰にとっても避けられないものであるのと同時に、人によって早く進んだり、ごくゆっくり進んだり、大きな差が現れるものです。加齢性難聴の進み方や程度も、一人ひとり異なります。
まずは、「年だから仕方ない」とあきらめたり、くよくよしないことが大切。身体にとってアンチエイジング(抗加齢)効果があることは、耳にとってもいいこと。適度な運動、バランスのとれた食事はアンチエイジングの基本です。耳のためにも、健康的な毎日を!


めまいと耳の病気の関係 「めまい」は、耳の病気が原因のことも!

耳から起こるめまいは「ぐるぐるタイプ」と「ふわふわタイプ」

実際には動いていないのに、周囲や自分が動いているように感じる「めまい」。めまいが起こると、とても不安な気持ちになるものです。
めまいにもさまざまなタイプがありますが、約6割は、耳の病気が原因とされます。下の表のように、めまいのタイプを「感じ方」と「症状の特徴」から4つに分けたとき、耳の病気が原因で起こるのは、主にタイプ③とタイプ④です。「めまい外来」や、「めまい相談医」がいる診療科があり、多くの場合、耳鼻咽喉科の中に設けられています。原因がわからないときなどは、こうした診療科で診察を受けましょう。原因が脳の病気である場合もあるので、放っておくのは危険です。
また、めまいはストレスによって起こることも少なくありません。次のページで紹介する簡単な体操で、ストレスを解消しましょう。

めまいのタイプ

急な「めまい」にあわてないで!突然、めまいが起こったときは、どのように対処すればいいのでしょうか?
いちばん大切なのは「あわてないこと」。めまいの症状は、しばらくするとおさまる場合がほとんどです。「そのうちおさまる」と思いながら、ゆっくりと数回、深呼吸してみましょう。
外でめまいが起こったときも、ゆっくりと呼吸をして落ち着いてから、座れる場所を探し、転ばないように気をつけて歩いていきましょう。あわてて動くと、思わぬ事故につながります。


耳鳴り・めまいの原因になるストレスを解消!

聴こえにくさは耳鳴りの原因になり、耳鳴りがあるとストレスが高まります。
そしてストレスは耳鳴りを悪化させる原因になるため、悪循環に!
また、ストレスはめまいの原因にもなります。
ここで紹介するかんたんな体操で、ストレスを解消しましょう。

いすに腰かけてかんたんストレッチ

ゆっくり息を吐きながら前屈

あお向けになって力を抜くだけ

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