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レスベラトロール 明らかになる健康機能~最新研究ダイジェスト

近年、花粉荷の機能を明らかにする研究が進められており、ヒトの健康にどのように役立つかが解明されつつあります。ここでは、信頼性のある科学的な手法で行われた、最近の研究成果をダイジェスト版でお伝えします。
より詳しいデータや論文をご覧になりたい方は、研究者の皆さま向けページをご覧ください。

※花粉荷とは、ミツバチが花を訪れた際に、体についた花粉を集めて巣に持ち帰ったもの。
ミツバチたちは「花粉」と「はちみつ」を練り混ぜた“花粉荷”を主食にしており、“花粉荷”を材料にして体内でローヤルゼリーを合成します。つまり、“花粉荷”は栄養価の極めて高い食品であると同時に“ローヤルゼリーのもと”ということなのです。

花粉荷の「老化予防」に関する研究データ

花粉荷は、中高年男性の前立腺肥大を抑制

年齢とともに現れる尿の悩み…。昔にくらべて勢いが弱くなり、1度のトイレですっきりしない。また、夜間も頻尿のため、熟睡がさまたげられる…など、“たかが尿、されど尿”。あの頃の軽やかな毎日を取りもどしたいと願っている方は少なくありません。
この背景にあるのが、日本人男性に増えている「前立腺肥大症」。「前立腺肥大症」は尿の通り道が圧迫されて、尿の出が悪くなる病気です。年齢と深い関係にあり、高齢の男性によく見られます。40~50代で症状が出はじめ、60歳男性では半数以上に症状があり、80歳までには8割の男性が前立腺肥大症になるといわれています。程度の差こそあれ、高齢の男性のほぼ全員に発症するので、男性の更年期症状や、老化現象の一種という見方もできます。

前立腺肥大症は、加齢と男性ホルモンの関与が示唆されていますが、未だその病因は十分に解明されていません。また、疾患が進むまで我慢している傾向が多いことから、症状が進行してしまい、高齢の男性の生活の質(QOL)に多大な影響を与えています。
前立腺肥大症の治療によく使用される治療薬は高血圧の治療にも使われる薬であるため、場合によっては、めまい・ふらつき・立ちくらみなどの低血圧に伴う症状が生じる場合があります。また、ホルモン系製剤として抗アンドロゲン剤も使用されますが、肝機能障害、性機能障害や女性化乳房などの有害作用が認められる場合があります。
前立腺肥大症の人が増えている中、副作用がなく、安全に長期的に摂取できる健康食品で前立腺肥大症の薬の摂取量を減らせたり、症状の改善又は予防につながるなら、高齢の男性の健康維持にとって素晴らしいことです。

花粉荷が、前立腺肥大症状に有用

伝承的にいわれていた花粉荷の前立腺肥大症改善機能について、ヒトによる科学的な研究により、検証しました。前立腺肥大症の患者47名を3つのグループにわけ、それぞれ12週間、花粉荷エキス(エタノール抽出物)高用量(320 mg/日)、花粉荷エキス低用量(160 mg/日)、プラセボ(偽薬)を摂取してもらいました。その前後で、「尿流測定装置」を用いて最大尿流量(尿の勢い)を調べるとともに、超音波を用いて残尿量を測定しました。

  花粉荷エキス摂取量 (mg/日) 人数
低用量群 160 17
高用量群 320 15
プラセボ群 0 15

その結果、最大尿流量は、摂取前と比較して、高用量群で有意な増加が認められました。残尿量については、摂取前と比較して、高用量群で減少傾向が認められました。

このことから、花粉荷エキスの高用量群において、前立腺肥大症状の改善傾向が認められました。花粉荷エキスは前立腺肥大症の症状改善又は予防に有用である可能性が示されました。

花粉荷摂取後の尿の勢いの増加

結果1 摂取前後の放尿の勢いの変化

結果2 摂取前後の残尿量変化

(山田養蜂場みつばち健康科学研究所 2008年6月、論文発表)

花粉荷の「ムズムズ・かゆみ・花粉」に関する研究データ

花粉荷は、花粉症の症状軽減に寄与

花粉症は、植物の花粉によって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼の痒みなどの不快な症状を引き起こす病気です。日本における花粉症患者の数は増加の一途をたどっており、2000年に旧科学技術庁が発表した「スギ花粉症克服に向けた総合的研究」では、花粉症による労働損失(仕事の効率低下、欠勤、早退など)と医療損失の合計は例年約3,000億円に上ると試算され、社会全体に与える損失は甚大となっています。

花粉症そのものの症状もつらいものですが、花粉症治療薬でアレルギー症状をコントロールしようとすれば、眠気や口、眼の粘膜の渇きなどの副作用が出る場合もあり、患者の生活の質(QOL)は低下しかねません。スギやブタクサの多い国土のため、国民病ともいわれる花粉症。花粉症に対するより有効な予防法の開発が切望されています。

花粉荷含有プロポリス食品で花粉症治療薬の使用が減少

花粉荷含有プロポリス食品を用いて、軽度のスギ花粉症の患者24名を対象にしたプラセボ対照二重盲検試験を行いました。
被験者を2グループに分け、一方には「花粉荷含有プロポリス食品」(花粉荷エキス20 mg・ブラジル産プロポリスエキス20 mgを含有)6粒、一方にはこれらを含まないプラセボ(偽薬)を、スギ花粉飛散開始4週間前より12週間摂取してもらい、治療薬の使用について日誌によるアンケートに回答してもらいました。アンケート調査の結果から治療薬の強さと使用頻度を示す「花粉症治療薬使用スコア」を算出し、花粉荷含有プロポリス食品のスギ花粉症に対する作用を評価しました。

花粉症治療薬使用スコア

薬の強度





スコア0 薬剤の使用なし
スコア1

第二世代抗ヒスタミン薬またはヒスタミン放出抑制剤の飲用

血管収縮薬または抗コリン作用薬の鼻への噴霧
スコア2 コルチコステロイドの局所投与
スコア3 コルチコステロイド+第二世代抗ヒスタミン薬の飲用

その結果、試験中に治療薬を使用しなかった方は、花粉荷含有プロポリス食品を摂取したグループでは13名中9名、プラセボを摂取したグループでは11名中2名となりました。
また、花粉荷含有プロポリス食品を摂取したグループでは、花粉飛散開始後の花粉症治療薬の使用スコアが小さくなりました。このように、スギ花粉飛散前からの花粉荷含有プロポリス食品の予防的な摂取により、花粉症治療薬の使用を減らすことができました。
これらの結果は花粉症治療薬の問題点である眠気や口・眼の乾燥感などの副作用の軽減に繋がることから、花粉荷含有プロポリス食品の摂取は花粉症に悩む人々のQOL向上に役立つことが期待されます。加えて、花粉症治療薬の使用の減少は医療費の削減に繋がると考えられ、社会全体として非常に有意義なこととも言えます。

(山田養蜂場/鳥取大学医学部 2011年1月共同研究、論文発表)

花粉荷の「お肌の乾燥・シミ予防」に関する研究データ

花粉荷の、シミ予防効果

女性が気になるお肌のくすみやシミ。どちらも美肌の大敵です。
このシミやくすみを作るのが、黒色の色素「メラニン」。過剰にメラニンが産生され色素沈着を起こすと、シミやくすみとなります。
美白の大敵といえば、言わずと知れた「紫外線」ですね。海や山で日焼けした後に肌が黒くなり、シミやくすみが出てきてしまった経験は、どなたにでもあるのではないでしょうか。

メラニンは本来、皮膚で過剰な光を吸収し、紫外線をさえぎる働きをします。直射日光にさらされると、皮膚細胞では紫外線により活性酸素が発生し、細胞を傷つけるので、それを防ごうとより多くのメラニンが産生されます。それが、日焼けや、シミ・くすみの原因となるのです。したがって、抗酸化作用を示す素材は、美白作用も発揮することが知られています。

花粉荷の抗酸化作用とメラニン抑制力

そこで、世界各国で採集されている花粉荷のエタノール抽出物について、ルミノール発光法を用いて抗酸化作用を測定しました。その結果、すべての花粉荷に抗酸化作用が認められ、特にオーストラリア産の3 種(ミックス、マリ、ジャラ)で強い活性が示されました。
また、メラニンを産生する細胞のひとつ(メラノーマ細胞)に花粉荷エキスを加えて培養し、メラニン産生抑制作用を測定しました。
この結果、抗酸化作用が強い花粉荷ほど、メラニンの産生を抑える力も強いことがわかりました。
さらに、最も高いメラニン産生抑制力を示したオーストラリア産の「ジャラ」花粉荷エキスから活性成分を精製し、メラニン産生抑制作用を測定した結果、「ルテオリン」「メアルンセチン」という2種の活性成分のメラニン抑制作用が強いことが確認されました。

(山田養蜂場みつばち健康科学研究所 2008年4月)

花粉荷から発見された、新しい抗酸化成分

「完全栄養食品」ともいわれ、古くから北欧や中国で食されていた花粉荷ですが、最近わかってきた健康や美容への機能は、バランスよく含まれるビタミンやミネラルなどの栄養素のみならず、さまざまな「抗酸化成分」が含まれていることによると考えられています。日常的に私たちの体内で起こっている「酸化」とは、取り込んだ酸素の一部が活性酸素となって、細胞などを傷つけ、老化をひき起こす「体のサビ」。人間は、これらの酸化を消去するための抗酸化機能をもっていますが、その機能は加齢とともに衰えるので、抗酸化成分をとることが、若々しさのカギになると言われています。

ブラジル産花粉荷から新しい抗酸化成分を発見

花粉荷の抽出物から、抗酸化活性が認められる成分を単離し、質量分析計などで解析したところ、下記4種類の抗酸化成分が同定され、そのうち1つはこの研究により世界で初めて発見された新規の物質であることがわかりました。

  • 成分1.ケンフェロール 3-O-[2-O-p-クマロイル]-α-L-アラビノピラノシド (初めて発見された成分)
  • 成分2.N1,N5,N10-トリ-p-クマロイル スペルミジン
  • 成分3.N1,N5,N10,N14-テトラ-p-クマロイル スペルミン
  • 成分4.モノカフェオイル-トリ-p-クマロイル スペルミン
新規抗酸化成分の構造

(山田養蜂場みつばち健康科学研究所 2007年11月、論文発表)

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