山田養蜂場運営の研究拠点「みつばち健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。

トップ > 「健やかに」発刊録 > 怖い!心筋梗塞や脳梗塞の原因になる動脈硬化と血栓(けっせん)

「健やかに」発刊録

健やかに 2014年9月号 怖い!心筋梗塞や脳梗塞の原因になる動脈硬化と血栓(けっせん)

怖い!心筋梗塞や脳梗塞の原因になる動脈硬化と血栓(けっせん)

「人は血管とともに老いる」といわれます。
年齢を重ねれば、だれでも若いころよりは血管が硬くなります。けれども反対に、血管を若々しく保つことができれば、全身の若さを維持できるはず。動脈硬化が進行する仕組みや血栓ができる原因を知り、血管を老化させない生活習慣を始めましょう。

動脈硬化はどうやって起こる?

酸化したLDLが動脈硬化を招く

心筋梗塞や脳梗塞など、命にかかわる病気の原因となる「動脈硬化」は、どのようにして起こるのでしょうか?
主要な原因となるのは、血管に負荷をかける高血圧や、血液中にコレステロールや中性脂肪などの脂質が過剰になる脂質異常症。特に危険とされるのは、“悪玉”と呼ばれるLDLコレステロールです。

酸化したLDLが動脈硬化を招く

図1で示したように、LDLコレステロールは増えすぎると血管壁に入り込み、酸化します。実は、人体にとても大きな害を及ぼすのが、酸化という現象(ページ下部参照)。酸化したLDLコレステロールは、周囲の細胞を破壊するため、免疫細胞がこれを追いかけて血管壁の中に入ります。動脈硬化は、そこから図2~3のように進行していきます。

もっとも危険なのは血栓ができたとき

図4のように血管に大きなこぶ(プラーク)ができたとき、動脈硬化はかなり進行しています。冠動脈という心臓の血管がこの状態になれば、血液によって運ばれるはずの酸素や栄養が不足して、「狭心症」という病気になります。
そしてもっとも怖いのは、プラークが破れて血栓ができたとき(図5)。血栓が心臓の血管を詰まらせれば心筋梗塞、脳の血管を詰まらせれば脳梗塞という危険な病気を引き起こします。そこで、プラークができてしまったときは、破れないように安定させて、血栓ができるのを防ぐことが重要になります。

動脈の壁は三層構造

動脈の血管壁は内膜、中膜、外膜の三層構造になっています動脈の血管壁は内膜、中膜、外膜の三層構造になっています。
コレステロールは、内膜の内皮細胞(ないひさいぼう)と内弾性板(ないだんせいばん)の間にたまり、動脈硬化を進行させます。

体を酸化させる“ 活性酸素 ”

たとえば、切ったりんごが空気に触れると、徐々に切り口が茶色くなりますが、これが酸化です酸化とは、物質と酸素が結びつくこと。たとえば、切ったりんごが空気に触れると、徐々に切り口が茶色くなりますが、これが酸化です。
体の中でも、これと同じことが起きています。人を酸化させるのは、強い酸化作用を持つ「活性酸素」。体内に侵入した細菌やウイルスを撃退するといった役割がありますが、活性酸素が多いほど老化は進み、健康な細胞まで傷つけてしまうことも。
活性酸素を増やす「喫煙」や「脂質の摂りすぎ」に注意して、抗酸化作用のある食品を積極的に摂るなど、体を酸化させないことが大切です。

静脈にできる血栓も危険!

足にできた血栓が肺の血管を塞(ふさ)ぐ

足にできた血栓が肺の血管を塞(ふさ)ぐさきほどは、動脈硬化によってできる動脈の血栓の危険について述べましたが、血栓は静脈にもできます。そのほとんどは足の静脈にでき、深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)という病気となって、はれや痛みを引き起こします。
さらに、足の静脈にできた血栓は、何かの拍子で血管壁からはがれることがあり、血液に乗って流れていきます。血栓は心臓を経て、肺に流れ込み、肺動脈を塞いでしまうことがあります。これが、“エコノミークラス症候群”としても知られている肺塞栓症(はいそくせんしょう)です。肺塞栓症になると、胸の痛みや呼吸困難などの症状が現れ、最悪の場合は死に至ることがあります。
長時間、乗り物に乗って足を動かさないときなどに血栓ができやすいのですが、動脈硬化のある人などは特にできやすく、注意が必要です。

注意! 血栓ができるのはこんなとき

血流が悪い血流が悪いと血球同士がくっつきやすく、固まりやすくなります。足の血液は、動かすことで筋肉がポンプとして働き、重力に逆らって流れますが、長時間乗り物に乗っているときなどはこのポンプ作用が働かないため、血流が悪くなり、足の静脈に血栓ができやすくなります。

血管が固まりやすくなっている粘性が低い“サラサラ血液”に比べ、粘ついた“ドロドロ血液”は血栓ができやすくなります。血液をドロドロにする原因は、食べすぎや、脂質や糖質の摂りすぎといった食生活。運動不足やストレスも原因になります。脱水症状になったときもドロドロ血液になるので要注意。

血管が傷ついた血液が固まらずに流れていくことができるのは、血管の内皮細胞がバリアのように働くため。内皮細胞は、血中の脂質や糖、高血圧、活性酸素などによって傷つけられます。塩分、脂質、糖質の摂りすぎや、活性酸素を増やす喫煙は血栓のリスクを高めます。

次のページへ

1/8
今月の対談録
今月の健康情報