山田養蜂場運営の研究拠点「みつばち健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。

トップ > 「健やかに」発刊録 > 「健やかに」2013年8月号 ローヤルゼリーの研究

「健やかに」発刊録

「健やかに」2013年8月号 ローヤルゼリーの研究

ローヤルゼリーと肌の保湿についての研究

ローヤルゼリーの豊富な成分に着目

私の専門は「皮膚科学」ですが、人の肌によい物質を探し出し、その有用性を評価したり、メカニズムを解明する研究を行っています。
ローヤルゼリーに着目した理由は、まず、その成分の豊富さです。アミノ酸をはじめとして、ビタミン、ミネラル、特有成分のデセン酸など、これほど豊富な成分を含む天然物質はほかにあまりないでしょう。また、ローヤルゼリーはなぜ人によい働きをするのか、その仕組みはわからないまま古くから利用されています。その作用を科学的に解明したいと思いました。

角層かくそうの水分は肌を守るために大切

下で紹介している研究レポート【2】は、ローヤルゼリーエキスがヒトの肌の角層の水分量を高めることを定量的に証明した、初めての学術報告です。
角層は肌の「バリア」で、外側からは刺激物質が入ってこないように、内側からは水分が出ていかないようにして肌を守っています。なぜ水分量が大切かというと、水分が足りないと角層は硬く、もろくなってしまうからです。ガラスのように壊れやすくなってしまうのです。
角層の水分量を正確に測定するためには、環境を一定に整える必要があります。この試験では、部屋の温度を20℃、湿度を50%に保ちました。汗をかいていると正確な測定ができないため、被験者には30分間安静にしてもらってから測定しました。研究ではこのような厳密さがとても重要です。
②の試験と同時期に、私はヒトの細胞を使って、研究レポート③の試験を行いました。その結果、ローヤルゼリーエキスを添加した培地で培養した細胞は、水分を保持する成分などが増えることがわかりました。研究レポート②の結果は、③で裏付けられたことになります。このように、実際に効果を確かめることと、その仕組みを裏付けるデータをとることの両方が研究にとっては大切なのです。
皮膚の研究は、目で見て結果がわかるところに面白さがあります。これからも、美しく健やかな肌を守るための研究を続けていきたいと思います。

研究レポート【2】ローヤルゼリーエキスが角層の水分量を高めることをヒト試験で確認

柔らかくなめらかな“美肌”のためには、皮膚の最も外側にある角層に水分がたくわえられていることが大切です。
ローヤルゼリーエキスを塗布することで、角層の水分量がどのように変化するかを調べる試験を行いました。
30~60代の女性に協力してもらい、一方の腕にローヤルゼリーエキスを含む水溶液、もう一方の腕にローヤルゼリーエキスを含まないプラセボ水溶液を1日2回、4週間連続で塗布しました。塗布を開始してから2週間後と4週間後に、被験者16名で比較した結果、ローヤルゼリーエキス水溶液を塗布した肌は、4週間プラセボ水溶液を塗布した肌よりも水分量が高く、また、試験開始前の肌よりも水分量が高くなっていました(グラフ1)。

グラフ1 肌の角層水分量の変化

グラフ2 4週間使用した後のアンケート

ヒトの皮膚の細胞を使って、肌の水分量にかかわる成分が、ローヤルゼリーエキスの影響でどう変化するかを調べる試験を行いました。
調べた成分は、角層の保湿に重要な働きをする成分の①フィラグリン、主に角層のバリア機能にかかわる成分の②トランスグルタミナーゼ、セラミド合成にかかわる酵素の③セリンパルミトイルトランスフェラーゼ、④酸性スフィンゴミエリナーゼです。
皮膚の細胞を、ローヤルゼリーエキス(凍結乾燥粉末)を添加したもの・添加しないもので培養し、これらの発現量を比較したところ、ローヤルゼリーエキスを添加した細胞では、①、②、④が増えたことが確認
できました。
この試験結果から、研究レポート②で角層の水分量が増えた理由として、保湿やバリア機能にかかわる細胞内の成分が増加することが関係していると推測できます。

次のページへ

1/7
今月の対談録
今月の健康情報